指導方針

 本校は、児童・生徒の学齢および習熟度を考慮した少人数学級での授業を基本にしています。また、幼稚部・小学部・中学部の一貫した長期的な指導方針に基づき、各学部それぞれの段階に合わせた独自の年間授業計画と共に、子供一人一人の個性に合ったきめ細かい指導を心がけています。

共に育む教育

 ハイデルベルク補習校に通ってくる子供達のために、一番良い日本語学習とは何でしょうか。ドイツという異言語環境の中で日本語を学習していく子供達に、私達講師ができる最善とは何でしょうか。

 子供達の目線に立ち、子供達を支えるため、保護者の皆さんと共に進んでいくことだと私達は考えています。

 本校では、保護者と講師が常に話し合い、子供達にとってより良い教育現場を作ることを心掛けています。さらに、補習校になってからはドイツのみならず、世界中の補習校の情報も入ってくるようになり、そういった情報を教員会で共有し、子供達への指導の改善に取り組んでいます。そして、幼稚部からの長期的な一貫性を持った日本語学習カリキュラムの導入も進んでいます。その結果、本校の学習活動の内容は近年大きく前進しています。

 2012年度より児童3人から1学級を設置し、小学部での複式学級を極力避けるようにしています。これにより、小学部のどの学年でもさまざまなニーズ、目的、力を持った子供達の違いを十分に把握し、それぞれの子供にあったきめ細かな指導を行っています。

 また、2012年度には、七夕、書道、お月見、節分などの行事学習に「お正月会」も加わりました。これらの行事学習では、子供達が日本の伝統行事や日本文化にふれる機会になっているだけでなく、行事について仲間と学ぶことで日本文化をより深く理解できるようにしています。また、学年を超えた生徒間や保護者間の交流にも役立っています。

 「共に育む」という点で、補習校での教育活動には保護者の皆さんと講師の連携・協力が欠かせません。子供達の学習進度や学習内容の定着度は、家庭の学習援助によって左右されると言っても過言ではありません。子供達には現地校の勉強もあり、その他の習い事などもあります。その中で、補習校の宿題をするのは大変ではありますが、家庭での日本語学習への真剣な取り組みも非常に重要な要素となっています。

 保護者の皆さんと私達講師ががっちりとスクラムを組み、協力して児童生徒の日本語教育に取り組んでいくこと。それが、子供達の日本語習得への最善のサポートです。

  ドイツの中で日本語を学び、日本の文化を知ることにより、子供達は他言語と異文化への理解を深める力をつけていくことでしょう。そして、本校で学んだ子供達がこれからの国際社会で活躍してくれることを期待しています。  

教員会一同